2006-11-29-Wed を見る。
なんともぱっとしないタイトルだが、アカデミー賞外国語賞なので信じていいのではないかと思って見た。
この前の受賞作『みなさんさようなら』もたいしたもんだったし、かなり見る目があるというか、私好みのものが選ばれる賞。
物語は28年前の事故で四肢が不自由になり、自由になるのは首から上だけ、という男が「もう死にたい」と言い出し、それを巡る人々・・という話。
というわけで主人公は寝たきりで、映画は男のベッドの周りで進んでいくのだが、気の利いたカメラがまったく飽きさせることなく、きちんと見せる。
登場人物達も、特に美男美女とかってわけではないのだけど、佇まいがもう「私はこの映画に出ることができてよかった、そして、この映画作りに参加できてとてもうれしい」という感じがひしひしと伝わってくる。
誰も彼もすがすがしくいとおしい。
そして、なにより、その閉塞感に満ちた寝たきりの部屋からカメラが外に出た瞬間の解放感の見事さといったら。
映画でしかできないすばらしい時間となっている。
なにげない外の風景のショットの積み重ねなんだけど、そのすべてが新鮮で驚きにみちてて素敵なモンタージュとなっている。
脚本もまた過不足なくきちんと人間を造形しているし、私にはよくわからないが、きちんと教会というものと対立、対決している部分まで描いているのはたいしたものだと思う。これはいろいろ言われたんじゃないかなあ。
でも、それでも・・という意志がこの映画を貫いているあたりが、もうなんとも。
こういう映画に出会うと、やっぱり見なきゃなあ、と思う。
普段なんの意志もなく「こんな感じでどうでしょう」と作られた映画を見終えた時に「もうなに見てもだいたいこんな感じで一緒なんだろう? なんでこれに時間使っちゃったんだろう、もう映画見なくてもいいんじゃないかなあ・・」って後悔しきりだけど、それでも、こういうのがあるからなあ。
意志を持ってこういう作品を作っているチームがいるということに励まされる。
意志を持って作品を一人で作り続ける人は世の中にいっぱいいるだろうけど、それがチームであることに憧れる。
一人ではできないことをチームでやっている。
「これっていいよね、これはやるべきだよね」って集まった人たちが、それぞれできることをきちんとやっている、それがうらやましい。
でも、私も10x50KINNGDOMというチームがあるのだから、そんな人のことをうらやましがっていないで、やればいいんだけどね。
ってやりますけどね。