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 そして、初日は明いた。
 同じ劇場で同じスタイルの芝居をやって6年、20回目の初日。
 また初日か、と思うし、ようやく初日か、と思うし、まだ初日は続くと、思う。
 頭の中でぐるぐるその言葉が回る。

 先週、うちの劇団の人間が交通事故に遭った。
 とりあえず、無事ではあったんだけど、思いの他、ショックが大きい。

 でも、初日はやってくる。
 来週もまた初日がある。
 そのVol.21をまだ作り続けている。
 作品を作れる場があることが単純に、純粋に嬉しい。
 まだ、できる、まだやれると思えるのは楽しいことだ。
 
 小屋に向かう途中、今日、私がこれから本番に向かってやらなければならないこと、そして、今日の本番が終わった後で、どんな状態になるのか、まで、見当がつく。
 同じスタイルのことを6年もやっていて、20回もやっているのだ。
 今日という一日が、あっという間に過ぎていくんだろうな、ということもわかる。
 
 そして、道行く人々にとっては、今日という一日は、なんでもない水曜日でしかないんだろうなあ、とも思う。
 いつもの水曜日。
 
 「初日っていうのは、やっぱりじんのさんも緊張するんですか?」ということを初日によく聞かれる。
 「うん、そうだねえ、やっぱりねえ」と言葉を濁したりする。
 緊張っていうのかなあ。と、自問自答する。
 自分の感情が虚脱に近いものであることはわかっているが、それを、本番の直前まで、私が叩き書いた台本を手にしている俳優達の前で、その言葉を口にするのはためらわれる。
 台本はすでにしわくちゃになり、マーカーで塗りつぶされた自分の台詞睨み付けている俳優達がわらわらいる側で一人「虚脱かな」とは言いにくい。
 「緊張するよ、そりゃあ」と、嘘でも言わなければならない。
 なぜなら、私は嘘をつくのが職業だから。

 でも、と、そこでもまた思う。
 「緊張するよ、そりゃあ」と言っているのは、本当に嘘なのか? と。
 虚脱している、でも、それは、崩れ落ちている虚脱ではない。
 立っている虚脱。
 立ちつくしている虚脱だ。
 その虚脱にはまだ、倒れてはいけないという意思が残っている。
 倒れるわけにはいかないという環境を私は持っている。
 それをもしも「緊張」というのなら、私は初日を前に緊張しているのかもしれない。
 虚脱しながら緊張し、緊張しながら虚脱している。
 と、言えばいいのか。
 それでわかってもらえるだろうか。
 同時に「実は次のことを考えているんだ」と言っていいものなのかどうか。
 同じスタイルでやっている以上、今、目の前でできあがったものが、次のハードルになる。
 ハードルは上がっていく。
 でなければやっている意味がない。
 でも、このハードルはどこまで上がっていくのだろうか?
 そのハードルを見上げると、そこでまた立ちつくす。
 虚脱する。
 そして、新たな気持で緊張する。
 
 演劇を作る過程において、実際に稽古している時間は実は微々たるものでしかない。
 それ以外に費やされる時間と、言葉が演劇を成していると、ようやく最近、気がついた。
 
 稽古してうまくなる、と思わないでと稽古場では言い続けている。
 それは幻想です、どこかの誰かにすり込まれた宗教です、と言っている。
 
 何度もこのブログに書いているけど、この私の本番中に、別の場所で二つ、私の戯曲が上演される。
 今週末のことだ。
 その進行状況が、ブログやら、メールやら、電話やらで報告される。

 そして、六月には二つの舞台が月末に幕を開ける。
 その様子も、刻一刻、報告が入る。
 みんな静かに戦っている。
 大勢の人と楽しい時間を過ごすためには、どうすればいいのか? 
 ただこれだけのことのために。

 少しづつだけど、私が思い描く理想の環境に近づいて来ている。

 なんでもない日常の水曜日。
 だけど、私達にとってはかけがえのない特別な水曜日であるために。

 

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写真はオスカープロモーションの山川 紗弥さん。
美少女クラブの人だから、そりゃあ美少女。
超かわいい。
彼女のために、今日、ちょっと上等のメイド服を選びに行った。
「あ、これだ」と、一目惚れのように、そのメイド服と出会った。
着てもらったら、まあ、なんと申しましょうかこれが日本が世界に胸を張って誇れる『秋葉原』となった。
なんかムチャクチャな表現だけど、目の当たりにしてもらえば頷けると思う。

ブログの書き込みもままならなかったけど、ひたすら『メトロ』を作っていた。
明日が最初の初日で、明後日が次の初日、そして、一週間後に三つ目の初日。
今年、この前数えたら初日が23あったので、一つ二つで、ひーひー言ってらんないけど、数こなせば楽になるとか、いっぱいあるとお得というものではないので、やっぱり大変。
告知もしておかなければ。

劇団10x50KINGDOM presents
劇団HP⇒ http://www.10x50kingdom.com/

メトロポリス・プロジェクト
 Vol.20 「時計仕掛けの肖像」
 Vol.21 「眠れぬ森の熱情」
 『メトロ』再演企画 リ・メトロポリス・プロジェクト3
2007年5月30日(水)〜6月10日(日)

in江古田ストアハウス(西武池袋線 江古田駅南口 徒歩0分)

作・構成・演出 じんのひろあき

cast(劇団員)
坪井一広 塚本拓弥 岡本広毅 
松下貞治 工藤良輔 野中 希
cast(ゲスト)
窪田あつこ(アイ・ドリングストップ花歌マジックトラベラー)
広田さくら(ガイア)

橋本愛実(オスカープロモーション)
山川紗弥(オスカープロモーション)
内藤理沙(オスカープロモーション)

吉岡毅志(Queen’sAve.α) 

吉久直志(カプセル兵団)
宇佐美雅司(Amrita Peace)
市場法子(シアターキューブリック)
蓬莱大介

中山浩

協力
(株)オスカープロモーション
(株)Queen’sAve.α
 ガイア(株)
(株)豪勢堂グロウブ

チケット料金:全席自由席 前売り2800円 綴り2500円(二枚以上から) 当日3000円
※綴りチケットは異なる日時の組み合わせでもお申し込み頂けます。

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時間が掛かったりするものなんだろうか?
うちは早いから、全然問題ないんだけど。

写真は吉岡君。
知る人ぞ知る、ウルトラマンガイアだった吉岡君である。

まさか、ウルトラマンが『メトロ』に出てくれることになるとは思わなかった。

写真は新宿の街の片隅で私が撮ったものなんだけど、変身前のウルトラマンガイアに「このあたりちょっと座ってみて」とか言って写真を撮る日が来るとはねえ。

ウルトラマンって脚本も書いたことがないのに。

『ウルトラQ』の映画版くらいか、円谷さん系に関わったのは。
あの企画、流れ流れていっちゃったからなあ。

ウルトラマンかあ、って言っても、ウルトラマンに思い入れがあるわけではないから、なんか、そのへんの温度差も微妙。
ウルトラマンとセブンにひかれたのは、あのキャラクターにひかれたわけじゃなくて、金城さんの対本土に向けられた物語と、成田さんデザインの思想と実相寺さんの嗜好が好きだったわけで・・・
M78星雲がどーたらこーたらとか、スペシウム光線とか本当にどうでもよかった。

ちなみに、吉岡君が出る『メトロ』はVol.20。

タイトルは『のだめ』。
ウルトラマンなんで、というわけではない。
繋がらないし。
やれ『デスノート』やら『のだめ』やら、流行もんばっかりか、と、思われるかもしれないが、でも、流行もの、好きなんだからしかたない。

あと、もう一本『シーツの残り香』っていうタイトルのやつにも出演します。
これも何年も前からやりたかったお話の一つ。
この話をやってくれる役者にようやく巡り会えた。

というわけで、というわけでもないが『乱歩地獄』の実相寺さん編を見る。
『鏡地獄』。
これで、たぶん、実相寺さんの作品で見ていないのはあと2本(のはず)。
あの斜めのフレームやら、広角やら、横移動がもう見られないのかと思うと、本当に悲しい。
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今、余所に客演中の塚本拓弥。

今回『メトロ』Vol.21の『デスノート現象』という話に出ます。
相手はいつものカンちゃんこと岡本広毅。

タイトルが『デスノート』だからフィギアの写真か、と思われると困るんだけどね『デスノート』は『デスノート』だからさ。
フィギアはないからさ。

いろんなデスノート集める話でもないし。
赤デスノート、青デスノートとかね、そういうのじゃあない。
デスノートキングとか、デスノートクリスタルとかも出てこない。
コンプリートしましたって話ではないんだよね。

『デスノート』にまつわる話なんだけど、じゃあ、ライトかエルかっていうとそんなのは出てきやしませんよ、もちろん。
 でも『デスノート』なの。

 っていっても、なんたって客演中なんですよ、拓ちゃんは。
 今。
 こっちの本番一週間前まで、向こうの本番をやっているんだけど、そんなんでできるのか? と、よく聞かれます。

 できます、できますとも。

 脚本もできてるしね(でも、ちょっと短編と言うには長いんで、こっちの稽古に合流してから切ろうと思ってる)

 志の輔(お、一発で変換できた)さんのパルコの落語、今年のやつのある一本を見る。
 ものすごく元気づけられる。
 これでいいんだ。これでなければならないんだ、と、思った。

『メトロ』今回は新作が12本で、まだ内容がフィックスしていないものが1本。
 というか、今日「やっぱりないとダメだ」となってVol.21は5本立てのつもりだったが、6本立てに変更したばかりなんで、まだなにも決まっていないのが1本あるというのが正直なところ。

 俳優陣の組み合わせとバランス、そして、話が並んだ時のトータルの印象と、様々な要素を組み替えては壊し、組み替えては壊しという作業がこのところの稽古場での私の仕事。

 あと、1本、なにするべ、っていう三週間前。
 なんかすでに名残惜しい感じです。
 作家としては。

 まあ、9月に『メトロ』またあるからそれを楽しみにすればいいか。
 
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 今回の『メトロ』は、なんと国民的美少女が登場する。
 第7回国民的美少女、演技部門賞受賞の橋本愛実さん。
 NHKの大河にも出演しているし、『下北GLORY DAYS』にレギュラーで出演していたので、ご存じの方はご存じだと思う。
 写真が彼女。
 体からフェロモンの出る男を追う看護婦さんの役(の予定)
 今回、かわいい子、多いです。
 久々ですね。ここんとこ「いかにオヤジであるか」とか「年をとるとこんなこともできるようになるねえ」とかそういうことばっか追求してたからねえ。

 シアターカイで『メリーさんの羊』を上演すう会による『メリーさんの羊』をみる。
 1時間5分。
 別役さんのこの作品はこれまでワークショップ的な稽古をする時に何度も使わせていただいたものなので、台詞がかなり自分の中に残っていることに驚きながら見た。
 三谷昇さんがやっているのだが、パンフに「これを初演した中村伸郎さんの年になった」「彼はこの年から5回も上演した」と書かれていた。こういう決意というか気構えがどれほどのものか、若輩の私には想像もつかないが、それはきっと役者としての『悦び』なんだろうなあと思う。
 あくまで、想像でしかないけれども、それでも、きっと『愉しい』ことなんだろうなあ、と思う。
 演劇ってものとつきあっていくと、こんなことが待っているんだぞ、どうだい? 捨てたもんじゃないだろう? と、舞台からひしひしと伝わってくることに、なんだかよくわからないけど、嫉妬を感じた。
 『シルバー仮面(字が出ない)』の実相寺版の第1巻を見る。
 本当に最後の最後までなにも変わらず、自分の世界を貫き通した人なんだなあ、と、ここでもまたうらやましさが先に立つ。
 なにも衰えていない、古びていない。
 かつて『ウルトラセブン』を見ていた子供の頃、感じていたあの違和感が健在。
 なんなんだろう。
 この人の映画に出てくる人物達の口からg「銀河」や「宇宙」という言葉が出てくる時のリアリティは。
 どうして、この人の作品だけに「銀河」「や「宇宙」という単語に無限に拡散していく言霊が宿っているのか?
 以前、『アニメ夜話』で岡田さんが言ってたんだけど『2001年宇宙の旅』で宇宙が真空であることがわかってから、一度、SF映画の衰退が始まり、松本零士さんや『スターウオーズ』が登場するまで、宇宙は無機的なものでしかなかった。
 だが、松本零士さんが「宇宙の海は俺の海」と言ってくださったおかげで、宇宙にロマンが戻ってきた。
 そこは真空の暗闇ではなく、赤い雲のようなものだったり、蒼い海のようなところだと、ビジュアルで見せてくれたおかげで、宇宙はもう一度、なにかを取り戻すことができた。
 そして、それと同じことを実相寺さんはその昔から主張していたし、今でもまだ、同じ強烈な表現方法によってそれを主張してくれえている。
 確かに、むちゃくちゃなところは多々ある。が、だからどうした。
 改めてお世話になった奇才の冥福を祈った。
 本当にどうもありがとうございました。
 
 ノートパソコンを新しくして、それを試し打ちしながら、指を慣らしている。

 今度、『櫻の園』をリメイクするんだけど、劇中のチェーホフの『櫻の園』を高校生が上演できるレベルで現代語訳して、なおかつ短縮バージョンを作成しているのだけど、ようやく、第一幕が完全に終わった。
 6月24日から青山円形劇場で前の映画の『櫻〜』を舞台で上演するのだけど、その中にもやはりチェーホフの『櫻〜』の台詞が出てくるので、それは今回の私版の新訳の方を使ってもらおうかと思っている。
 というわけで、顔合わせの20日までに完全に作業を終えなければならない。
 
 もちろん、月末に初日を迎える『メトロ』も全開でやっているさ。
 組み合わせ、エピソード、ほぼ、全部確定した。
 まだ試してみないと本当にこれでできるのか? 芝居として成立するのか? という危惧はあるが、まあまあ、なんとかなるでしょう。

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これは『メトロ』二回目の登場となる、劇中でお天気お姉さんをやっている町田海ちゃんこと、市場法子さん。

今回は、部屋に盗聴器をしかけられて大騒動になる話と、出会い系パーティの司会を引き受けてしまったためにこれまた大騒動になる二本に出演します。

元々は、シアターキューブリックという劇団の人なんですが、海ちゃんというキャラクターとであってしまったために、えらくのびのびと稽古場にいる時間を過ごしております。
ちなみに下の翔ちゃんの写真もそうですが、今回の写真はほぼ全部私が、あちこちにで向いて撮ったものが使われております。

で『悪』もうムチャクチャ。
途中で「なんでこれを見ているんだろう、自分はこの忙しいときに」となんど思ったことか。
それでも、みるべきところは 多数ある。恐るべし三池監督。


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今月末から始まる『メトロポリスプロジェクト』に出演してくれる、榊原翔ちゃん。
チラシ用に撮ったものの中から。
初参加です。

レディスの暴走族がついに『メトロ』に登場。

いつも稽古場で「初見で、それです! っていうクオリティの芝居をして欲しい、稽古して上手くなるという妄想を捨てて欲しい」と言っているんだけどなかなか実践してくれる人は少ない。
当たり前といえば当たり前なんだけど、でも、彼女はその数少ない「それでいいです、それで台詞覚えて、まんま舞台にのってください」と私が言った人。
これ以上、変に余計なことを考えずに、新鮮なこの状態のまま、1ヶ月後の本番を迎えてくれればいいのだけれど。

そして、『ヒストリーオブバイオレンス』。
途中まで、どうしてこれをクローネンバーグが撮ったのかわからなかったが、はたと気づいた。
そうだ、この人のテーマって『2』だった。
人と蠅
双子の医者
ラリる妄想と現実などなど

もちろん名作『クラッシュ』のように「ただ好きなだけ」ってのもあるけどね。でも好きなモチーフはこれにつきると思う。

そんな『ヒストリーオブバイオレンス』。
ただの合法的な多重人格物じゃないか。
合法的な多重人格ってのが目新しかったわけか。
でも、そんな合法的な多重人格なんてもんでは、ごまかされないからな。
ラストも本当はどうでもいいんでしょう?
わかってるって。


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